大判例

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東京高等裁判所 昭和26年(う)6126号 判決

先ず職権をもつて按ずるのに、賍物牙保罪は犯罪により領得した財物であることの情を知りながらその物の有償処分に関する媒介をすることにより成立するものであつて、それが如何なる犯罪により領得されたものであるか、その財物領得の犯人が何人であるかということは賍物牙保罪の成立要件でないから、賍物牙保罪の判示としては、原判決のとおり賍物領得の本犯に関する摘示を省略し、単に賍物である情を知りながらその物の売却斡旋をしたというように摘示しただけで足りることは論をまたないところであるが、その売却斡旋をした物につき、被告人がたとえそれを賍物であると考えたとしても、客観的に若しそれが賍物でなかつたならば、賍物牙保罪は成立の余地がないのであるから、少くとも賍物牙保罪の判決の証拠説明においては、その物が賍物であるということを認めさせるに足る証拠を掲げなければならないものと解すべきである。

しかるに原判決において証拠として掲げられたものの各内容を記録について検討すると、これ等の証拠によつて被告人の売却斡旋をした前記の物が賍物であるということを肯認するに十分であるとは、とうてい認められない。

従つて原判決には罪となるべき事実中賍物であるという点につき理由を附しない違法があるものと認めるの外ない。なお、その他記録のどこにも右賍物であるという点を肯認させるに足る証拠は発見できない。

結局原判決は破棄を免れない。

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